10「市寸島」

地名国名[027]10、キツ・キツマ ◇「キツ・キシマ」 キツマとは、ヒロマ(広間)やヒロバ(広場)といった語になる音だが、決して広くない土地や島であっても、ある程度の平地があればキツマと呼ばれる。 面を表わす語はカツカと言います。日本では土地をい…

9「スワの海」

地名国名[026]9、ツ・アツ・キツ ンミ ◇「スワの海」 ツ・アツ・キツミ→ス・ゥアヌ・ ンミ →ス ワ ヌ ウミ 諏 訪 の 海(周芳の海) 頭に置かれるツは西方面を表わし、アツ・キツミは広い水地をいいます。全体として「西の海」の意になります。 頭のツがスに変わ…

8-3「佐渡島」

地名国名[025]8、ツ・アツ・カツマ〈3/3〉 ○「佐渡島」 ここをサドガシマと呼んだのは、この島が西方面に位置する地域の人達であり、よって新潟平野辺りから見ての呼称でしょう。 ス・アツ・カツマ →スアヅ・カツマ→サド・カシマ。 佐渡 島 ◇サド・ガシマの音に…

8-2「薩摩国」「宝島」

地名国名[024]8、ツ・アツ・カツマ〈2/3〉 ◇「サツ」という語。 アツの頭にス(元はツ)を付けると、西方面を表わす語になる。日が頂点を過ぎて下ってゆく側の方向全般をいう。また北方面や寒冷地にも使う。 ○「薩摩国」 〈西〉 〈国〉 ツ・アツ・カツマ ⚪︎ツ…

8-1「筑紫国」

地名国名[023]8、ツ・キツ・カツマ〈1/3〉 ○「筑紫国」 ツ・キツ・カツマ→チ・クシ・カシマ 筑 紫 国 筑紫(チクシ、またツクシ)とは、キツの頭に「ツ」が乗ったツ・キツから転じた音です。或る場所から見て西方面にあるキツ・カシマをいいます。 筑紫平野は、有…

7「東国」

地名国名[022]7、アツ・カツマ ◇「アヅ」という語。 アツは色々な意味で使われる語ですが、東方面(午前中に太陽がある方角)を表わす時にも使う。その場合は、アヅ、アチ、アタ、アダ、アラ、アリなど、ツの音が変わるが、おもに濁音になる事が多い。 ○「…

6-2「カラ・国」

地名国名[021]6、カツ・カツマ〈2/2〉 ◇「大きなカツマ」 カツ・カツマがカラ・カシマと転じる。この音に、唐国、漢国、韓国、また空国などの字を充てるが、上代に於いては普通名詞としての音(カラ・カシマ、またカラ・シマ)を表わす字であり、特定の国を指…

6-1「妣国」

地名国名[020]6、カツ・カツマ〈1/2〉 ◇「カツ・カツマ」 規模の大きい連合集落や、勢力をもった主幹国のカツマには、褒称の接頭語・カツを乗せカツ・カツマと呼ぶ形があります。 これに文字が充てられ、カツ・カシマ(鹿ツ・島、加ツ・賀島)、カツ・コシマ(…

5-3「漢委奴国」

地名国名[019]5、アツキツ・カツマ〈3/3〉 ◇「漢委奴国」 広い土地や、或る地域を表す呼称はキツ・カツマといいました。これに大を意味する音のアが頭に付いて、アキツ・カツマになる、というのは既に前項で説明しました。 更にアの音がアツと膨らんで、後…

5-2「邪馬台国」

地名国名[018]5、アツキツ・カツマ〈2/3〉 ◇「邪馬臺国」と「邪馬壹国」 ここでは『この国が何処に在ったか』を論じるものでは有りません。あくまでも国の名について、その音と成り立ちのみに焦点を当てたものす。 ⑴「臺(台)」の場合。 アツキツ・カツマ…

5-1「山代」「八代」

地名国名[017]5、アツキツ・カツマ〈1/3〉 ◇「アツキツ・カツマ」 アキツを、より強調しようとする場合には、頭のアが膨張してアツになり、アツキツという音にもなります。また、アツがアンやアムなどに転じ、アンキツやアムキツと発音されて使われること…

4-4「沖縄」

地名国名[016]___アキツ・カツマが原音です。これがオキナ・ワシマと転じた音に沖縄島の字が充てられる。カツマのカが、カ(クァ)→ハ(ファ)→ワ(ウァ)と転じる。 4、アキツ・カツマ〈4/4〉 ○「沖縄」 アキツ・カツマ→アキ ヌ・ファシマ →オキ ナ・ワ…

4-3「淡路島」

地名国名[015]4、アキツ・カツマ〈3/4〉 ◇「淡路島」 アキツ・カツマ →アハヂツ・カツマ →アハヂス・ホツマ 淡 道之 国 淡 道之 穂 嶋 淡路島は瀬戸内の島々の中で最大であり、よって、キツの頭にア(大)が乗り、アキツ・カツマと呼ぶ。 アが長音・アハと膨…

4-2「日本」という名

地名国名[014] ◇「アキツ・カツマ」〈2/4〉 大きなクニを表わす一般呼称はアキツ・カツマが始めの音ですが、特に良いカツマはカがホに変わり、ホツマの音になる。勿論、自国を言う場合に使います。そして、アに大、キに日、ホに本、ツマ(シマ)に国の字を…

4-1「秋津島」

地名国名[013]4、アキツ・カツマ〈1/4〉 ◇「アキツ・カツマ」について 良い土地をキツ・カツマといい、さらに立派な土地は頭に「大」の意味を持つ「ア」が乗ってアキツ・カツマといいます。 地域や時代によって音や表記は様々に変化して使われますが、広い…

3-5 「伊都国」「瑞穂国」

地名国名[012]3、キツ・カツマ〈5/5〉 ◇「伊都国」 キツ・カツマ→イト・カシマ 伊都 国 所謂、魏志倭人伝と呼ばれる書物の中には、キツ・カツマが元の音と思われる国名が多く見られますが、伊都国もその一つです。博多湾に糸島半島があり、この辺りと云われ…

3-4 「日向国」「丹波国」

地名国名[011]3、キツ・カツマ〈4/5〉 ◇「日向国」 キツ・カツマ→キブ・カィシマ→ヒ ム・カイシマ 日 向 国 キツ・カシマ→ヒム・カシマ→ヒウ・カ シマ 転化ルートは二種類あります。⑴ヒム・カィシマ。キツが、キブ→ヒムと転じ、カシマのカがカィと膨らんでカィシ…

3-3「出雲国」

地名国名[010]3、キツ・カツマ〈3/5〉 ○「出雲国」 キツ・カツマ→キヅ・カムシマ→イヅ・クモシマ 出 雲 国 キツがイヅに転じた音に出の字を充て、カツマのカが、→カン→カム→カモ→クモ、と膨張・転化してカツマがクモシマに変わり雲国の字を充てる。こうして、…

3-2「吉備国」

地名国名[009]3、キツ・カツマ〈2/5〉 ◇「キツ・国〔カツマ〕」 或る地域を意味するカツマとは、一人の首領を王とした集団がテリトリーとするシマ(国)をいう。日本列島には縄文時代の末の頃から、時代が下がるにつれてそんなキツカツマが多くできつつあ…

3-1「キツカツマ」

地名国名[008]3、キツ・カツマ〈1/5〉 ○「キツ」とは何? 太古の日本人は(いや、人類は)単語の頭に強調や褒称の音を乗せるという事をしていました。 幾つかの音がありますが、恐らく最初に使った音がキであり、これが後々まで標準的な音になります。接…

2-3「オノゴロシマ」

地名国名[007]2、カツマ〈3/3〉 ◇「オノゴロシマ」 二神(伊邪那岐・伊邪那美)は、国生み神生みをするにあたっての産屋を設けるため、先ず神聖な仮想空間(カツマ)を造ります。 天の沼矛を潮に差し入れ掻き混ぜて引き上げた時、その矛先から滴り落ちる…

2-2「ぬ島」

地名国名[006]2、カツマ〈2/3〉 ◇「ぬカシマ」 ヌ・カシマとは、水に囲まれたやや小さな陸地の基本呼称です。カシマは下名に置かれる語なので、予唸音・ヌを付けてヌカシマと呼ばれることがしばしばあります。淡路島の南にある沼島は、ヌカシマのヌの音に沼…

2-1「クニ」と「シマ」

地名国名[005]2、カツマ〈1/3〉 ①「カシマ」*「土地」 面を意味するカツカの後ろのカ(処)がマ(間)に転じて、カツカ→カツマの音になる。のちにツがシに変わりカシマになり、さらに略してシマの音で定着する。陸地、土地、などの意。 ただし、二種類の…

1-4「カッパ」

地名国名[004]1、カツカ〈4/4〉 ◇「カッパ」 アイヌ語で獺〔カワウソ〕をエサマン(esaman)というらしいですが、アイヌ神謡集の中では、蔑みの意を含めてサパ・カッパ(sapa=頭、kappa=平ら)と呼び、編訳者の知里幸恵はこれを扁平頭と和訳しています。 肺…

1-3「薄膜」

地名国名[003] 1、カツカ〈3/4〉◇「薄い面」*「葉」 カツカ→ハッパと移る。葉の元の呼び方は、薄く平たい物を表わす音のカツカです。これが転じてハッパ、略してハのみになる。正確にはクァが転じたファでしたが、のちにファ(fa)の発音は消えていき、…

1-2「平面」

地名国名[002]1、カツカ〈2/4〉 ◇「耕地:ハタケ」 畑や畠の語音のハタは、カツカがハツタと音転したのちツが落ち、ハツタ→ハタとなった。ハタケは、カツカ・キ(ハツタ・キ)が、→ハタ・ケ(平坦・地)と転じてできた語である。 ここでのカツカ(ハタ)は「…

1-1「カツカ」

地名国名[001]1、カツカ〈1/4〉 ◇ 「アカ」 記紀によると「この世の始まり(原形)は、一切のモノが乱雑に混ざった渾沌とした空間だった」としています。もちろん、誰も見た者はいないので、実際のところ詳しくは分かりません。あくまで先人の想像説です…

神名人名・10-8 「強い人」

[026]10、カラツキ 〈8/8〉 ◇「強い人」 戦闘に関する人や物を表わす様々なカツキやカラツキは、日本だけではなく世界のあちこちに同様の言葉を見つける事ができます。 クルマや戦闘機、兵器などにファントムと名付けられたモノがありましたが、このファン…

神名人名・10-7 「八咫烏」

[025]10、カラツキ 〈7/8〉 ◇「八咫烏」〔ヤタ カラス〕 アツ・カラツキが、アタ・カラスキ→ヤタ・カラスに転じる。ここでのアツは「多い」の意です。勢い付けの予唸音・イが始発音となり、アがィア(ヤ)に変わります。(※アツには色々な意味があります) 個々には…

神名人名・10-6 「藤原鎌足」

[024]10、カラツキ 〈6/8〉 ◇「藤原鎌足」という名 キツ・カツキ(武人)の最高位を意味するカツ・カラツキ(大将軍)の音が、→クシ・カラツンキ→フシ・ハラヌンチ→フジ・ハラノウヂ、と転じる。 この音に充てて、美しく飾られた名称「藤・原ノ氏」の表字が作ら…