4-4「沖縄」

地名国名[016]___アキツ・カツマが原音です。これがオキナ・ワシマと転じた音に沖縄島の字が充てられる。カツマのカが、カ(クァ)→ハ(ファ)→ワ(ウァ)と転じる。


4、アキツ・カツマ〈4/4〉

○「沖縄
 アキツ・カツマ→アキ ヌ・ファシマ
        →オキ ナ・ワ シマ
          沖 縄  島

その昔はオキナ・ワ国〔シマ〕であったに違いない。「ワ国」はワシマです。ワコクでは有りません。

 

◇《唐大和上東征伝》では、七五三年、鑑真が藤原清河ら一行と共に日本に向かうが、その途中に嵐に遭って流され、漂着した土地を「阿児那波〔アキナハ〕」と記しています。(※この時代、児また兒はコではなくキである)

また、「おきなわ」と表記された今に残る最も古い文献は平家物語であるらしく、この名称が如何に古いかが分かります。「沖縄」の文字を最初に使ったのは新井白石の《南島志》とされるので、こちらはそう古くはないようだ。

沖縄グチ(言葉)では、アやオがウと発音されることが多く、オホ(大)がウフの音になる。同様にアキナハやオキナワのアやオがウに転じて、ウチナーになる。決して「内の」が語源では有りません。

沖縄の言葉は音を伸ばすことをよくしますが、ウチナーのナが伸音になるこの場合は、ナの後ろにハ(ファ)の音が隠れていることを意味します。

 

◇オキナワ(ウチナファ)という音は、沖縄に住む人達自身が、太古から使っていた言葉であり、「アキツ・カ」から転化したものです。此の地を表わす固有の呼称なのであって、外の者が勝手に呼んだ名ではないんです。

一方、琉球という語が支那国によって作られた呼称(表記)であることは、研究によって既に確かめられているという。
ただ、今もなお琉球の方を好んで用い、これをあたかも “本名” であるかの様に扱う人も、少なからず見受けられますよね。

それは、漢音読みの琉球〔リュウキュウ〕の方が何となくカッコイイから、と云う無邪気な動機もあるでしょう。

でも、その背後にある暗闇に、支那国が付けた名を推奨し定着さることを目論む、或る種の勢力の思惑〔おもわく〕が潜んでいるように感じるのは、気のせいでしょうか。