2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧

22-1「曽根崎」「島崎」

地名国名[058]___地名には二つの地形の呼び名が合わさって出来たのが有ります。カソネとカサキでソネサキ、カシマとカサキでシマサキ、といった具合です。 22、地形の重ね名〈1/2〉 ○「曽根崎」 カツネ・カツキ→カソネ・カサキ → ソネ・ サキ(曽根・崎) …

21「曽根」「長髄」

地名国名[057]___ 曽根の地名は全国に存在しますが、多くの場合が水に面した土地、また、かつて水に面していた地域です。ソネには埇や埣などの字も使われ、石の多い土地とも云われます。 21、カツネ ◇「曽根」 きれいな砂浜ではない石や土の岸辺。カソ…

20-2「阿波岐原」

地名国名[056]____ かつて水地だった所が陸地になる。土砂の堆積によるものや、何らかの理由で水が引いて水底が露出して出来た場合もあります。アキ・カラツマ、アハキ・ハラなどと呼ぶ。 20、アハキ原〈2/2〉 ○「アキ・マ」 アキ・カラツマ(空き地、原っ…

20-1「アハキ」

地名国名[055]___ 20、アハキ〈1/2〉 堆積土によって生まれた地続きの土地をアキといい、面積が広くなるとアが膨らんでアハ(一拍音)になりアハキと発音されます。通常はカラスマという語が後ろに付きます。 ◇「アヂ・マ」 堆積土によって生まれた地続…

19「川淵」「河内」

地名国名[054]___19、「河内」「川淵」 ◇「カフチ」と「カウチ」 水に面した土地・カツキのうち、水に突き出た地、即ち三方を水に囲まれた陸地をカサキというのに対し、水を囲んだ土地(湾や入江を作る陸地)はカフチ(カハフチ)の音で表します。 また…

18-7「ハナとサキ」「ミサキ」

地名国名[053]18、カサキ〈7/7〉 ○「ハナとサキ」 迫り出した土地をハナ(鼻の字を充てる)と呼ぶ地域が現在でも西日本の各地にある。この音はカサキがハナサキと転じた後、略されて前の二音を使ったものでしょう。 或る地域はハナを残し、或る地域はサキ…

18-6「花咲」

地名国名[052]18、カサキ〈6/7〉 ◇「花咲(媛)」 基本四単語のうち、カツキという語は“突出したモノ”という原意が有ります。地形でいえば、水面に迫り出した地形もまたカツキといったのでしょう。 このカツキのツがサ行音に移りカサキと成ります。更にこ…

18-5「難波崎・2」

地名国 名[051]____18、カサキ〈5/7〉 ◇「ナム・カサキ」其の2 かつて上町台地の北端と、北摂地域(吹田、豊中、尼崎など)の間には海が広がっていた。 稲作が始まり長い年月を経る間には、相次ぐ新田の開発、人口増加による集落の拡張、大墳墓の造築…

18-4「難波崎・1」

地名国名[050]____18、カサキ〈4/7〉 ◇「ナム・ハサキ」其の1 ナニワ(難波、浪速、浪花、浪華)の地名由来は、実のところはっきりと分かっていない。ただし、説は幾つかあります。 或る説:「大阪湾から入江に入る辺りの海は流れが速く、船の舵取りが…

18-3 「立花崎」と「尼崎」

地名国名[049]___18、カサキ〈3/7〉 ◇「海崎」〔アマ・カサキ〕 東側(アヅ)に張り出した陸地(カサキ)をアヅ・カサキといいます。ツはツ→ヅ→ブ→ム(→マ)と移る音なので、後にアヅはアム(アマ)に転じます。※ここでのアツ(アヅ)は東方面の意。 アヅ・カ…

18-2「山崎」

地名国名[048]___18、カサキ〈2/7〉 ○「山崎」「崎〔サキ〕は水辺に迫〔セ〕り出した地形をいい、それが山なのだから山崎と呼ぶ。当然である。その意味以外など有り得ない」 この呼称を見て誰もが「山の崎(先)」と解釈をし、その事に何の疑念も抱〔イダ〕…

18-1「カサキ」

地名国名[047]18、カサキ〈1/7〉 ◇「崎」 水平方向に迫り出した地形などを、太古人はカツキと言ったようだ。その中で、水に面した陸地は、ツがサと転じたカサキという音を使い「崎」の一字で表わす。そして、カサキもまた色々な音に変わってゆく。 ○「神崎…

17-7「ヤマ」と呼ばれる平地

地名国名[046]___17、カヤマ〈7/7〉 街の中に、島の字が入った地名を見ても驚かない。昔は海だった可能性があるから。平地なのに、山の字が入った地名は何だ? かつて此処は山だったなど有り得ないのに。 ◇「ヤマ」と呼ばれる平地 大阪の堀江(今の大川…

17-6「岡」と「山」

地名国名[045]17、「カヤマ」〈6/7〉 ◇「岡」と「山」 カヤマは、オカヤマやオカツヤマなどとも発音される。このオカの音に岡の文字を使うので、古くからの地名で岡の字が使われている在所には、高い割合で墓(古墳)が有る。 *大阪府豊中市の岡町には幾…

17-5「釜山」

地名国名[044]17、「カヤマ」〈5/7〉 ○「釜山」 朝鮮半島の南端、玄界灘に面した地にプサンという町がある。この地名は町の北側にある釜山〔プサン〕という山の名からきている。 現地の郷土史家に、この山がなぜ釜山と呼ばれるのかを聞くと「山の形が釜〔…

17 -4「勝山」「茶臼山」

地名国名[043]17、カヤマ〈4/7〉 ◇「勝山」 四天王寺の東に勝山古墳があります。元は前方後円墳でしたが、今は後円部のみが残る。前方部も公園〔コウエン〕になっています。 カヤマ→カツヤマ、→オカツヤマ 勝 山 御 勝 山(岡山) 勝山という名は大坂冬の…

17-3「大坂山」「男山」

地名国名[042]17、カヤマ〈3/7〉 ○「大坂山」 キツ・カヤマ→ヲサ・カヤマ 小 坂 山(大坂山) キツが、クィツ→クォツ→ウォス→ヲサ、と転じる事で、キツ・カヤマがヲサ・カヤマと発音され、この音に小坂山の字が充てられる。後に小坂山の小の字が大に変わり大坂山…

17-2「比婆之山」「三輪山」

地名国名[041]17、カヤマ〈2/7〉 ○「比婆之山」 キツ・カヤマ→キツ・カツヤマ →ヒツ・ハスヤマ→ヒバスヤマ 比婆之 山 カヤマにも接頭語のキツが乗り、キツ・カヤマと呼ばれるが、ここではキがヒに、カヤマがカツヤマ→ハスヤマと転じて「比ツ・婆之山」の字が充…

17-1「山」と「墓」

地名国名[040]17、カヤマ〈1/7〉 ◇「ヤマ(山)」という語カツカは、あらゆる面を表わす総称として使う。カツマは、陸地面を云い、島や国の字を充てる。カヤマは、盛り上がった地形を表わす言葉です。 カツカのツが、ツ→チゥ→イゥ(ユ)→ヤカツカの後ろの…

16-5「神社」

地名国名[039]16、カム・ヤシロ〈5/5〉 ◇「神社」 始めは小さな祠〔ホコラ〕でした。自然界の強い力を司るモノ(山神、海神など)を祀っていたのでしょう。その後、人も祀るようになっていく。 集落の人口が増え、財力や技術力を持つ様になると、小さな祠(木…

16-4「八尋殿」「社殿」

地名国名[038]16、アキラツノ〈4/5〉 ◇「アキラトノ」神聖な建物 キツノという語が元〔ハジメ〕にあり、これがキラツノ、またはアキツノなど、音が膨らむ。更にアキラトノとなる。 キツノ→キラツノ→アキラツノ。 ○「八尋殿」〔ヤヒロトノ〕 アがヤ(ィア)と…

16-3「キラツノ」「ア・キラツノ」

地名国名[037]16、キラツノ〈3/5〉 ◇「キラツノ」清浄な建造物 キツノのキがキラと膨張して、キラツノという語になる。キツノ(またアキツノ)が土地空間を表わし、ノの音に野の字を使うのに対して、キラツノは施設をいい、ツノがトノ(殿)の音(表記)に…

16-2「アキツノ」

地名国名[036]16、アキツノ〈2/5〉 ○「御吉野」《雄略記》の歌にある阿岐豆野(岐はクィ)を猟場と解釈している人が殆どです。でも此処のアキツノは御吉野〔アクィツノ〕であって、安騎之野〔アキツノ〕では有りません。 〈詞書〉 卽幸阿岐豆野 而御獦之時 天皇坐御…

16-1「キツノ」「アキツノ」

地名国名[035]16、キツノ〈1/5〉 ◇「キツノ」自然土地空間。 キツノの音には、手が加えられてない無垢な状態の野(土地)といった意味がある。ある程度の広さがあるものの、居住地や耕作地に使われていない。 環境や地質など理由は一様ではないが、利用が…