23「外国のアキツ・カツマ」

地名国名[060]___別言語の中に「音や意味に共通するものがある」というだけで飛びつき、それらの単語を結び付けようとするのは危険です。偶然の可能性も大いにあります。それを踏まえた上での一仮説です。


23、外国のアキツ・カツマ

「北米の地名」
○[オクラホマ(Oklahoma)]
 アキツ・ホツマ→アクラ・ ホムマ→オクラホマ
オクラホマとは、先住民(チョクトー族)の言葉という。「赤い人達の土地」の意か、とも云われているが、正確なところは分からない。

元のスペルはOklahomma、とmを二つ重ねる。従ってオクラホムマというのが正しい発音だったのでしょう。古和語にアキツ・ホツマというのが有ります。アキツがオクラに、ホツマがホムマに移ったか。これらの転化は日本でも起こることです。

オクラホマの地元の人は、自分たちをオッキーナと呼ぶ。オキナワと似ていますね。偶然でしょうか? 元の音が共にアキツだったとすれば、なんら不思議ではありません。

また、ホムマと英語のホーム(Home)、この音の類似も無縁とは思えない。ホツマ(素晴らしい郷土)の音が東廻りで進み、ベーリング海を渡ってホムマの音となる。一方は、西廻りで移動して、ホームと発音され大西洋を渡る。

この二つの言葉が数万年の時を経て、北アメリカ大陸で再会した、という事かも知れません。出発点はアフリカか中東辺りか。

 

○[アイダホ(Idaho)]
 アキツ・カツマ→アイヅ・ホツマ→アイダ・ホ。
◇先住民の言葉で「宝石のように美しい山」の意に由来するとされるが、こちらも本当のところは分っていない。

この語源説にある「美しい山」が正しいとすれば、アイダホのホはホツマではなく、ホダカ(カタケ→ホタケ→ホダカ)、またはカヤマ→ホヤマ、といった山の意味を持った語だろうか。

しかし、カタケ(岳)やカヤマ(山)ではなく、始めに示したカツマ(国)のほか、カツラ(村)、カツカ(平地)などの可能性もあります。

 

○[アイオワ(Iowa)]
 アキツ・カ→アイユ・ファ→アイオ・ウァ。
◇先住民・スー族の部族語に由来してるとされるが、「美しい土地」または「眠そうな人」など幾つかの説が有り、似たような音が多く原意の特定は難しいようです。

音から見るとアイダホとアイオワは地域差また部族語の違いによるもので、本来の意味は同じではないだろうか。共にアキツ・カが元にありそうだ。

 

▽ちなみに。アキツはアイルの音にも転じます。ユーラシア大陸の東の端の沖にアキツ・カシマ(秋津・島)があり、西の端の沖にアイル・ランドがある。この位置関係は、さすがに面白い偶然です。

そうなると、ランド(land/英語)という音が気になります。国土、土地、といった意味ですが、この音の始まりがどの様な形だったのか、英語圏の人にもよく分からないようです。

外の者が勝手な事は言えないですが、ただ、その扱い方を見ると、或いはカツカ→クァムド→アンド、という音転が考えられます。ルアンダという国もありますよね。

 

○「エチオピア(Ethiopia)」
 アキツ・カ→アチュ・キァ
      →エチォ・ヒァ→エチオピア

旧国名はアビシニアというらしいが、この名もまたアキツがアビシに、カがキァ→ニァ、と移った音と思われます。

首都のアジスアベバのアジスは、アキツ→アヂスと音転したものでしょう。ただし、こちらのアキツは水の意かも知れない。ゥアキツは、→ウアチツ→オアシス(oasis)の音になる。

水が湧いていたから人が集まる地になり、大きな集落が出来はじめた、という歴史だろうか。

紅海を東に渡ったイエメンにはアデンという町がある。今は乾燥地帯だが、数千年前までは其処此処で水が湧く緑に覆われた土地だったという。

このアデンという音もアキツ→アヂヌ→アデンの転音が可能であり、さらにエデンの音にも繋がる。エデンとは水が豊富で多くの果実が成る緑地帯(楽園)をいったのかも知れない。


○「スカンジナビア(Scandinavia)」
 ツ・アキツ・カ→ツ・アンキナ・キァ
   →ツ・クアンチナ・ヒァ→ス・カンヂナ・ビァ

 アの音は、→アン→クアン→カン。キツは、→キヌ→チヌ→ヂナ。カは、キァ→ヒァ→ビァ。この様にそれぞれ転じる。

スカンジナビアのスが、西方と寒冷地のどちらの意味を持つのかは、この地をスカンジナビアと呼び始めたのが、どの地域の人だったかによる。

見る位置によっては、西方面・北方面、どちらとも云える。いずれにしろ、この地名もまたアキツ・カの音で解釈が可能です。

 

◇地名の元〔ハジメ〕は、その場所の環境や形状を云ったものです。その後、音を転化させながら固有の名へと移ってゆく。そんな音から地名の始まりを辿〔たど〕るという方法で推察してみました。

ここでは、取り上げなかった名のほうが圧倒的に多いですが、見渡せば、どうやら…世界はアキツで満ちている…みたいです。

 

「地名国名」については、本稿でひとまず予定終着と致します。有り難う御座いました。