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10、カラツキ 〈8/8〉
◇「強い人」
戦闘に関する人や物を表わす様々なカツキやカラツキは、日本だけではなく世界のあちこちに同様の言葉を見つける事ができます。
クルマや戦闘機、兵器などにファントムと名付けられたモノがありましたが、このファントも元の音はカツキに違いありません。
南太平洋地域の先住民の言葉でラグビー選手(特に代表選手)をイカレヌヒというようですが、この言葉の本来の意味は「勇猛な戦士」だという。この語も恐らく、音を遡〔さかのぼ〕ればキツ・カラツキに行き着くでしょう。
*ここに、色々なキツ・カラツキを並べてみました。(※ここでのカはクァ、ハはファ、といった拗音。また、キツのツは省かれる。)
《キツ・カラツキ》
イ ハレビコ(伊波禮毘古)
イ クサビト(軍人)
チ カラビト(力人、力士)
チ ハヤビト(道速人、千早人)
イ カレヌヒ(戦士)
◇これまでに示した武闘派に関する、全ての呼称の元となる言葉がキツ・カツキです。そして、この語の始まりも、やはりアフリカにありそうです。アフリカの人達は森に住む “ 強いヒト” を、キツカツキと呼びました。
今、これが転じて、キツカツキ → キムファムチ → チムパンヂー〔chimpanzee〕と云います。
…完了。
◎記紀に見る神名や人名に付いて、音から辿〔たど〕るという形で考察してみました。取り上げられなかった名のほうが圧倒的に多いですが「神名人名について」は本稿でひとまず予定終着と致します。
有難う御座いました。